2005年09月17日

根っこをみっつほど

 いやー、ブログをやっててよかった、と痛感しました。ブログを始めていなければ知りあうこともなかったであろうたくさんの人たちとこうして意見を交換できるとは素晴らしいことです。特に、アッテンボローさんなどの尽力のおかげで、今まで互いに知らんぷりしていた代々木系と反代々木系のブロガーが生産的な交流を始めたのは画期的なことです。怠惰で社交性のない労働者Lは早くもこの論争から脱落しつつありますが(笑)、こうした一連の動きのきっかけを作ることに参加できただけでも満足です。
 さて、この論争の過程でたくさんの方々のブログを読み、たくさんのコメントを頂く中で、わたしが「共産党の選挙戦術について」で言いたかったことの、さらに根っこの部分に何があるのか、ということを、遅ればせながらやっと自覚できるようになってきました(遅すぎだ、まったく)。以下、その「根っこ」について記していきますが、わたしとしてはこれをもって論争の項目を増やそうという意図はありません。議論が拡散してしまいますし(もちろん、ご意見・反論お断り、という意味ではありません。いつも通りコメント大歓迎です。)。ただ、自らの「気持ちの交通整理」を恥ずかしながら公開することが、もしかしたら読者の皆さんにも寄与するものがあるのではないか、ということで。

 まず、わたしたち反代々木系は社民党に甘く、共産党にからい傾向があるのではないか、ということです。小選挙区に当選する可能性のない候補を立てて野党の票を分散させているという点については、規模の大小はあれ、五十歩百歩なのに、なぜか社民党は批判されない。これはおかしい、と思ったわけです。
 そりゃ、わたしも一応おおざっぱには理解しているつもりですよ、共産党と新左翼の間に今までどういういきさつがあったか、ということは。反面、社会党=社民党が新左翼をも受け入れる寛大さを持っていることに多くの人が恩義を感じているのも当然です。
 しかし、それならばこそです。もし身近な社民党が間違ったことをしていると思ったら、それを真っ先に忠告するべきです。それが本当の信頼関係というものです。その人が正しいかどうか、ではなく、その人が自分の「仲間」かどうかを基準にして善悪を判断する習慣は、こと左翼業界に限らず、わたしたちの周りに広く行き渡っています。わたしは、これがだいっ嫌いなのです。だからわたしは共産党が嫌いですし、なにかというと共産党につらくあたる新左翼文化にも違和感を感じるのです。まさにこれこそがセクト主義の正体だと思います。
 嫌いだからこそ共産党にはよりあまく、「好き」だからこそ社民党にはよりからく、わたしはそうありたいと考えています。
 なお、この問題については、黒目さんからいただいた以下のコメントで今ではかなり納得した、ということをつけ加えておきます。
 (前略)もうひとつは、社民党が出るという場合には、ある程度は「地盤」という発想がある。結果的にかなり悲惨な得票の選挙区もたくさんありますが、それでも「そこの土地をその人が基盤にしているから」とか、「社民党の支持者が多い土地なので、誰か立てないわけにはいかない」とか、そおゆう判断で行われている筈です。
 日本共産党の場合は、学校で民青やってて、民商に就職して帳簿繰ってたようなんを、人数の都合のつく限り立候補させるというものです。そんなバイトで雇ってきたような候補者は、今すぐにでもおろせる。そもそも中選挙区の時代から、共産党が当選していたようなところは、ちゃんと地盤があるところだけなわけで、そんな「党役員32歳」みたいなんが当選するわけもないのでありまして。

 次にいきましょう。この論争では、小泉政権の継続はたとえ奥の手を使ってでも阻むべきほどの危機である、という情勢判断が重要な争点になっています。もちろんこの情勢判断の是非については真剣に論じられるべきですし、現に論じられています。
 それはいいのですが、いっぽうで正直なところ、危機を煽るような言説に対する違和感がわたしの中にあるのです。危機を叫びたて、恐怖を煽り、人々を動員する。これはまさにいま小泉がやっていることですし、左翼文化の中にも一部見られる現象です。
 しかし、恐怖につき動かされた大衆ほど恐ろしいものはありません。落ち着きこそが必要です。危機を叫ぶ声の大きな人に対抗して大声でやりかえすよりも、静かに反論するべきです。わたしたちは散文の世界を生きているのです。大層な危機など滅多とやってこないのです。
 もっとも、このように落ち着きはらっているうちにドイツ社民党は「ナチス」に政権をもっていかれてしまったのかも知れません(よく知らないのですが)。稀には危機が来ることも事実です。

 あと、勝つためには例え新自由主義者とでも手を組む、というマキャベリズムの是非です。小泉自民党は権力を維持するためなら公明党ともホリエモンとも結んでいます。こういう節操のなさをわたしたちも見習うべきでしょうか。
 共産党や社民党が小選挙区の候補を引き上げることで首尾よく民主党を勝たせることができたとしましょう。その結果できた民主党政権は当然ながら新自由主義的な「改革」を推し進めるでしょう。そうなったら革新側としてはそれを批判せざるを得ません。すると「なんだ、あいつらは自分たちが勝たせた民主党を批判しとるのかよ」と受け取られるのが自然だと思います。
 ひとにすっきり説明できない権謀術数は使いたくありません。まさにこういう態度こそが「左翼小児病」なのかも知れませんが。

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posted by 労働者L at 11:55| Comment(2) | TrackBack(5) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マキャベリズムは難しいのですが。
保守系の政治学者ですら、日本人(あえて)は、野党にからく、与党に甘いと苦言を呈しています。
ようは、野党は正義を貫く<いわば目的のためには手段が制限される>ことがもとめられ、与党は目的のためには手段を選ばなくともよいとされているわけです。
これが端的に出てきたのが辻本議員バッシングでありまして、あんなことは与党もやっとる。しかし集中砲火を浴びるのは民主山本議員であり、社民辻本議員なわけです。当時2chでは、共産党すらやり玉に挙げられていました。(共産のやり方はいわば、法律的にはOKでも、やってることは同じですからね)

このことが、野党が政権をとることを妨げ続け、民衆が敗北し続けたのだとある政治学者(本の題名が思い出せん)が指弾しています。

結局、民主とくんで民主を批判すれば、社民共産に明日はなくなる。しかし、「手を組まなければ」、やはり明日はないわけです。
私が、今回の小泉の勝利を「野党に次はない」と総括しているのも、そのためです。残念ながら、民主はどれほど実力をためたところで、後一歩で次の選挙も敗北すると思います。そして、民主が負ければ社共が伸び、民主が勝てば勝てばかつほど、社共は負けるということです。

これが変わるのは・・・アメリカの力が弱くなったときぐらいですかね。
Posted by dk at 2005年09月18日 22:07
 dkさん、こんにちは。たとえ「不公平」と言われようと、野党がより清潔さを求められるということ自体はある程度はやむをえないのでしょう。でも山本氏の件も辻元氏の件も納得いかないのは確かですよね。今回の選挙でも社民党の比例代表の候補で罰金刑を食らっていたために立候補資格を剥奪されていた人がいましたが、「じっさいに住んでいないところに住民票を置く」なんて人は国会議員にいくらでもいますしね。
Posted by 労働者L at 2005年09月19日 20:54
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