2005年09月03日

湾岸の戦争

米ルイジアナ州知事略奪犯射殺命じる ハリケーン被害

 【ニューヨーク1日共同】超大型ハリケーン「カトリーナ」の通過後、治安が悪化している米ルイジアナ州のブランコ知事は1日、略奪や暴力に加わった人を射殺するよう州兵に命じたことを明らかにし、市民に自重を求めた。ロイター通信が伝えた。
 知事は、イラク駐留を終えて戻ったアーカンソー州の州兵約300人が、ルイジアナ州に到着したことを発表する際、「彼らはどのように(銃を)撃ち殺害するかを知っているし、そうするだろう」と語った。(後略)(共同通信) - 9月2日13時15分更新


 わたしのブログはジョークだらけだが、実は日常生活ではもっとブラックなジョークを連発している。でもさすがにあんまりきついジョークをネットで公開するのははばかられるので、これでもブログではかなり上品に振る舞っているつもりだ。この州知事の大胆発言は、わたしなら冗談でもちょっと公言するのは躊躇するレベルだ。行政のトップがこういうことをマジメに口走ってしまうとは。
 ルイジアナ州のニューオーリンズは、日本では「ジャズの都」と呼ばれ観光地として知られているようだが、本田勝一の『アメリカ合州国』に登場する黒人活動家によると、ジャズは「奴隷の叫び声」であり、そもそも「ジャズ」という言葉自体が奴隷制と結びついた差別的な言葉だという。ニューオーリンズは南部でも特に貧しい都市で、貧困層は全国平均の2倍もおり、その多くは黒人だ。
 災害は貧富の格差をより鮮明にする。行政は住民に避難を命じたが、命じただけ。避難するための車を持たない貧しい黒人ばかりが市内に取り残されることになった。略奪は決してほめられたことではないが、極限状況で生き延びるために止むをえない面もある。はっきり言えることは、早々とマイカーで逃げおおせた豊かな白人には略奪などする必要はないということだ。そして略奪する人たちを射殺するのは、イラクで豊富な射撃経験を積んだ帰還兵たち。イラクに派遣されている兵隊の多くも黒人をはじめとするマイノリティーだ。(追記:近年米軍の新兵の中の黒人の比率が急速に下がっているようです。指摘してくださった太郎さんありがとうございました。)
 陸軍工兵部隊からの証言によると、イラク戦争の費用を捻出するためにニューオーリンズの治水事業の予算が削られていたという。多くの州兵をイラクに派遣しているため、救助の初動体制が遅れたとも報じられている。 けっきょく、ブッシュ政権の戦争政策のアオリを食って水害の被害を受けるのも黒人なら、ブッシュの尻拭いのために市民に銃を向けさせられるのも黒人だ。

ハリケーン ニューオーリンズで犯罪多発 無秩序、まるで戦場

 (前略)さらに市街地で州兵たちが自動小銃を構えて不審な住宅のドアをけ破り、一軒一軒捜索。バグダッドでの掃討作戦と見まがうかのような光景をテレビが繰り返し流しており、まさに米国が戦場と化したようだった。(産経新聞) - 9月3日2時54分更新


 ニューオーリンズは、かって公民権運動の中心地のひとつだった。進学や路線バスでの人種差別の撤廃から始まった公民権運動は、やがてベトナム戦争が自分たちの問題と分かちがたく結びついていることを認識するに至った。いま歴史は繰り返し、ニューオーリンズはバグダッドに例えられるようになった。いくら米軍を投入してもバグダッドの「治安」がいっこうに改善しないのと同様に、ブッシュ政権の戦争政策のもとでは深南部の貧しい黒人たちが浮かばれることはないだろう。

革命的労働者に清き一票を!ここをクリック!人気blogランキングへbanner_02.gif
posted by 労働者L at 18:41| Comment(2) | TrackBack(3) | 戦争と平和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
恐れながら、今の米軍は意外なほど黒人の比率が下がっている模様です。従って帰還兵の大半が黒人というのは当てはまらないように思われますが。
Posted by 太郎 at 2005年09月03日 22:54
 太郎さん、はじめまして。ご教示いただきありがとうございます。
Posted by 労働者L at 2005年09月04日 07:59
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/6525650
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

アメリカのハリケーン被害を見て
Excerpt: ハリケーン「カトリーナ」による被災から5日が経ったアメリカ南部ですが、毎日被災者の置かれた過酷な状況や、頻発する略奪等は報道されていたものの、水や食料、医薬品といった救援物資はここに来てようやく届き始...
Weblog: 社長の本音日記
Tracked: 2005-09-03 22:42

ハリケーンで露呈したアメリカの病巣
Excerpt: アメリカはテロ対策予算が40兆円に対して災害対策費は40億円と、テレビでいっていた。この予算はアメリカ全土なのか? 40億っていかにも安すぎやしないか?ハリケーン「カトリーナ」は、黒人奴隷市場があった...
Weblog: かきなぐりプレス
Tracked: 2005-09-03 23:10

ニューオーリンズは沈まない November 27, 2005 追記3
Excerpt:            sub work title : カトリーナはアティーナへの仕返しなわけねぇよな 。                                               ...
Weblog: ”Mind Resolve”
Tracked: 2005-12-15 18:58