【ニューヨーク1日共同】超大型ハリケーン「カトリーナ」の通過後、治安が悪化している米ルイジアナ州のブランコ知事は1日、略奪や暴力に加わった人を射殺するよう州兵に命じたことを明らかにし、市民に自重を求めた。ロイター通信が伝えた。
知事は、イラク駐留を終えて戻ったアーカンソー州の州兵約300人が、ルイジアナ州に到着したことを発表する際、「彼らはどのように(銃を)撃ち殺害するかを知っているし、そうするだろう」と語った。(後略)(共同通信) - 9月2日13時15分更新
わたしのブログはジョークだらけだが、実は日常生活ではもっとブラックなジョークを連発している。でもさすがにあんまりきついジョークをネットで公開するのははばかられるので、これでもブログではかなり上品に振る舞っているつもりだ。この州知事の大胆発言は、わたしなら冗談でもちょっと公言するのは躊躇するレベルだ。行政のトップがこういうことをマジメに口走ってしまうとは。
ルイジアナ州のニューオーリンズは、日本では「ジャズの都」と呼ばれ観光地として知られているようだが、本田勝一の『アメリカ合州国』に登場する黒人活動家によると、ジャズは「奴隷の叫び声」であり、そもそも「ジャズ」という言葉自体が奴隷制と結びついた差別的な言葉だという。ニューオーリンズは南部でも特に貧しい都市で、貧困層は全国平均の2倍もおり、その多くは黒人だ。
災害は貧富の格差をより鮮明にする。行政は住民に避難を命じたが、命じただけ。避難するための車を持たない貧しい黒人ばかりが市内に取り残されることになった。略奪は決してほめられたことではないが、極限状況で生き延びるために止むをえない面もある。はっきり言えることは、早々とマイカーで逃げおおせた豊かな白人には略奪などする必要はないということだ。そして略奪する人たちを射殺するのは、イラクで豊富な射撃経験を積んだ帰還兵たち。イラクに派遣されている兵隊の多くも黒人をはじめとするマイノリティーだ。(追記:近年米軍の新兵の中の黒人の比率が急速に下がっているようです。指摘してくださった太郎さんありがとうございました。)
陸軍工兵部隊からの証言によると、イラク戦争の費用を捻出するためにニューオーリンズの治水事業の予算が削られていたという。多くの州兵をイラクに派遣しているため、救助の初動体制が遅れたとも報じられている。 けっきょく、ブッシュ政権の戦争政策のアオリを食って水害の被害を受けるのも黒人なら、ブッシュの尻拭いのために市民に銃を向けさせられるのも黒人だ。
ハリケーン ニューオーリンズで犯罪多発 無秩序、まるで戦場
(前略)さらに市街地で州兵たちが自動小銃を構えて不審な住宅のドアをけ破り、一軒一軒捜索。バグダッドでの掃討作戦と見まがうかのような光景をテレビが繰り返し流しており、まさに米国が戦場と化したようだった。(産経新聞) - 9月3日2時54分更新
ニューオーリンズは、かって公民権運動の中心地のひとつだった。進学や路線バスでの人種差別の撤廃から始まった公民権運動は、やがてベトナム戦争が自分たちの問題と分かちがたく結びついていることを認識するに至った。いま歴史は繰り返し、ニューオーリンズはバグダッドに例えられるようになった。いくら米軍を投入してもバグダッドの「治安」がいっこうに改善しないのと同様に、ブッシュ政権の戦争政策のもとでは深南部の貧しい黒人たちが浮かばれることはないだろう。
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