2005年10月30日

若者の人間力を高めない非国民宣言

 とある労働運動関係のメーリングリストで、以下のような情報がまわってきた。長いが、おもしろいので引用する。


『若者の人間力を高めない非国民宣言』2005年10月26日

 経営者たちの圧力団体である日経連の会長、奥田碩を議長とし、厚生労働省が主催する「若者の人間力を高めるための国民会議」は先月9月15日、「若者の人間力を高めるための国民宣言」なるものを発表した。直接的には2003年の「若者自立・挑戦プラン」を契機とするこの宣言のなかには、「意欲」や「力」という言葉があふれている。やれ、「子供のころから人生を考える力やコミュニケーション能力を高める」、やれ、「意欲ある若者にチャンスを与え」、やれ、「若者が自ら能力向上に励むことのできる環境を」うんぬん。
 まるで働かないことがこの世の極悪であるかのような脅迫にさらされた、なんとしても若者を働かせようという労働中心主義ともいえる執念めいたこの文言に、我々はうす気味の悪さを感じざるを得ない。ある種の無気力や働けないことが排除され、ただ生きることが徹底的に貶められる。
 そこには、90年代半ばから資本の要請によりなされた雇用の流動化の結果もたらされた構造的な我々若年層の雇用問題を、個人のやる気だとか意欲の問題としてすり替える醜悪な詐術が見え透いている。さらには、ここで宣言されている働く意欲を掻き立てようとする文言の裏面として、社会構造的にもたらされたフリーターや野宿者、それにニートと呼ばれる人たちを働く意欲をもてない者」として規定し差別・抑圧する思想があるのだ、と我々は明確に指摘しなければならない。
 そして今日、この運動の一環として「若者自身」を参加させ、とりこむ形で「若者トークセッション2005」というイベントが開催される。このイベントを主催する彼ら経営者や政府が、やる気のない者の仕事とするアルバイトなどの非正規労働は、まさに彼らの利益のために作り出されてきたし、これからも増えていく傾向にある。彼らは決してそういうものを「立派な」正規労働者に変えてしまおうとしているのではなく、ただそのままの貶められた状況の中で反省だけをして無理やり生き生きと、がんばって働いてもらうことだけを望んでいるのだ。そうすることで当然彼らの利益も上がるのだから、こんなせこい集まりまで作って頑張るのもうなずける。
 しかし、人の生とは労働だけではない。友人と談笑したり、映画を見たり、読書をしたり、音楽を聴いたり、旅行をしたり、恋愛をしたり、生とはもっと豊かなもののはずである。しかし、これらは必ずしも労働の対価としてもたらされるものではない。一部の勤労者に労働のほかに余白のない生を強要される覚えなんてさらさらないのだ。それに、我々フリーターは低賃金ゆえに生活を維持するため長時間労働を強いられている。そんな我々になお働けって言うな! 
 はっきりしておきたいのは彼らの望みと私たちの望みはまったく別のところにあるということだ。我々が彼らの望むような方法で自分たち自身を「支援」したりすることはないし、そうする中で無為な競争に喜んで入っていくこともない(日々無理やり入らされるとしても)。我々はもっと働くのではなく、もっと自由に生きるために集まる。
 ここに我々はこの「若者の人間力を高めるための国民宣言」でいわれる「人間力」が「働く意欲」そのものであることを喝破し、はっきりとこういってやろう。

「大きなお世話だ! 余計なことすんじゃねー!」

PAFF・若者の人間力を高めない非国民運動



 いちばん感心したのは、「まるで働かないことがこの世の極悪であるかのような脅迫にさらされた、なんとしても若者を働かせようという労働中心主義ともいえる執念めいたこの文言に、我々はうす気味の悪さを感じざるを得ない。」というくだり。労働運動の世界で、ここまではっきりと言ってしまうのは、まさに革命的だ。
 たいがい労働運動って、「わたしたちは働きたい。ちゃんと働きたい。それなのに経営者が悪いから、まともに働けない。あーん、働きたいのにー!」てな感じで、「働きたいオーラ」全開なのよね。まあ、お気持ちは分からんでもないけど、わたしはちょっと違和感を感じてた。誓っていうけど、もし明日1億円拾ったら、わたしはソッコー仕事やめるよ。働きたいからじゃなくて、働かなきゃ食えないから働いてるだけ。できれば働かずに怠けていたい。それがフツーでしょ?
 などと考えていたが、このPAFFという団体、かの「だめ連」の不抜の拠点=「あかね」に本部を置いていると知って納得。ぜひ労働運動に革命をおこしてほしい。
 だけど、「しかし、人の生とは労働だけではない。友人と談笑したり、映画を見たり、読書をしたり、音楽を聴いたり、旅行をしたり、恋愛をしたり、生とはもっと豊かなもののはずである。」という一節はいただけない。まるで夏休みの過ごし方に干渉してくる小学校の先生みたいだ。「『明るい不登校経験者』が不登校を『代表』して語ることは、必要でもあり、なおかつ罪深き暴力でもあります。」という常野雄次郎さんの鋭い指摘がそのままあてはまる。
 ま、何はともあれ、もし1億円落ちていたら労働者Lに直ちにしらせてほしい。

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posted by 労働者L at 18:32| Comment(4) | TrackBack(4) | 労働

2005年10月29日

石垣カフェ

 久しぶりに石垣カフェのサイトをのぞいてみたら、「石垣カフェ!フューチャー・ポーヴェラ!」なる対談がアップされている。これがメチャメチャおもしろい。このおもしろい対談にわたしがコメントするなぞ蛇足もいいところだが、ヤボを承知で二言三言ほど。
 近所の病院に入院しているお坊さんが病院では話し相手がいないから石垣カフェに通いつめていた、という話はちょっと切ない。閉店の挨拶に近隣の商店に手ぬぐいを配ったそうだが、学生にしては見上げた気の利きようじゃ。このように石垣カフェが、学生運動には珍しく、地域社会とのつながりをちゃんと作れていたのはすばらしい。
 「石垣カフェとスターバックスはなぜかよく対比された」とのくだりも興味深い。まさに、石垣カフェはグローバル資本主義に対抗していたと思う。大げさでなく。
 それにしても、「きんじハウス」が既に伝説と化しているとは…。まあ学生は入れ替わりが激しいから10年前は大昔だろうけど。いちおう訂正しとくけど、「きんじハウス」は空き部屋ではなくて建物ひとつを丸ごと占拠していたのだよ。
 「京都大学の公式ホームページにも、写真入りで堂々と紹介されている」とあるのは、ここだ。ご丁寧にも「石垣カフェ 2005(平成17)年1月22日〜8月16日」と日付入りで掲載されているが、いったい大学当局も何考えてるんだかよく分からん。
 サアサア、わたしのつまらん論評はもうエエから、早く石垣カフェのサイトに飛んでほしい。お後がよろしいようで。

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posted by 労働者L at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2005年10月28日

反抗期

 自民党造反組がさきの郵政民営化法案の採決で雪崩をうって賛成に転向した中、さすがに国民新党は反対を堅持したが、自民党の処分にはこんな反応。

国民新党:自民提訴を検討 「綿貫代表ら除名は不当」(毎日新聞)

 「自民党離党と新党結成は総務省にも認められており、一方的に除名処分にされ名誉を著しく傷つけられた」って意味不明だぞ、おい!見切りをつけた自民党に除名されるなら、むしろ名誉なことではないのか?総務省うんぬんに至っては、政党の内部問題を政府の判断に委ねる思考法であり、もはや結社の自由を自ら放棄したに等しい。
 提訴ともなるといっけん自民党と真っ向から対立しているかのようだが、結局甘えたのローティーンみたいなものだ。主義も主張もありゃしない。まあ最初から分かっていたことだが。
 連中が裁判に訴えるのは勝手だが、ぜひ裁判所は請求を棄却してほしい。連中の「反抗期」のせいで、結社の自由を侵害する悪しき判例を残されてはたまらない。

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posted by 労働者L at 21:25| Comment(0) | TrackBack(2) | 政治

2005年10月27日

城を発見

 このまえ、電車に乗って外を眺めていたら、山あいに城の天守閣のようなものを発見。テーマパークか、スーパー銭湯あたりだろうと思ったら、「大阪青山大学」と書いてある。聞いたことない大学名だが、ピンときた。キャンパスに城、これはトンデモ大学にちがいない、と。
 帰宅してさっそく調べてみた。あの珍妙な城は大阪青山大学が作った大阪青山歴史文学博物館というものらしい。この博物館のサイトで、ご自慢の天守閣を様々なアングルから撮った写真を堪能できるのでご覧あれ。さらに、このページの「礎石の選定」・「礎石の切り出し」という動画ファイルは必見だ。まさに、パリのそれよりも数メートル高い凱旋門を作って悦に入っている独裁国家を彷彿とさせるトンデモぶりだ。
 金にあかせた骨董趣味といい、巨費を投じた醜悪なレプリカといい、ワンマン経営者の姿が目に浮かぶようだ。賭けてもいいが、こういうところの労働者の待遇は間違いなく劣悪だ。

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2005年10月24日

ほっとけない 日本の軽薄さ

<ホワイトバンド>趣旨説明不足で購入者から批判(毎日新聞)

 以前からネット世界では見られたホワイトバンドに対するバッシングが、ついにマスコミに上陸したようだ。
 バッシングしているサイトの中には噴飯物の主張もある。「活動団体がいわゆる『左翼』の中国・北朝鮮ロビイストで日本の国益に沿うと思われない」などとデンパをびんびん飛ばしているが、AALA諸国人民からの搾取・収奪で独占資本は肥え太っているのだから、貧困撲滅が「日本の国益に沿う」わけがない。そもそも批判になっていない。
 ま、しかし、そんなことはどうでもよろしい。それよりも、ホワイトバンドを買って「だまされた」とか思っている人たちに言いたい。
 まずよく考えてから買え。だいたい怪しいカンパ活動なぞ世の中にゴマンとある。玉石混交のあまたのカンパ先の中からどれがまともな運動かを吟味する責任はカンパする側にある。ホワイトバンド事務局が収益の使い道についてウソの宣伝をしていたのなら責められて当然だが、そういう訳ではない。よく考えもせずにただ流行に乗って買ったお調子者が今さら「途上国に募金が送られないと知っていたら買わなかった」とか言う資格はない。
 それから、ホワイトバンドを嬉々としてはめるな。貧困問題の解決を主張することは資本主義体制そのものに楯突く大それたことだと自覚せよ。その覚悟がないのなら、買ったホワイトバンドはタンスの奥深くにしまっておけ。
 もし、自分の出した金が貧しい人たちに直接役立つことを望むなら、ホワイトバンドは買わずに、しかるべき活動をしているNGOにカンパせよ。その場合、カンパしたことをこれ見よがしに顕示するな。もちろん300円なんてケチな額のカンパしたら許さんぞ!
 もし、貧困問題を道行く不特定多数の人に訴えたいのなら、「トヨタはフィリピンの労働者を不当解雇するな!」とか、まあ文面は何でもいいが、そういうゼッケンを自作してそれを着けて街を歩け。白い腕輪よりよっぽど明瞭にメッセージが伝わる。
 もし、時流に乗ってたった300円でいいコトした気分を味わいたいのなら、ホワイトバンドをおすすめする。

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posted by 労働者L at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2005年10月21日

小泉の靖国参拝について

 今回の小泉の靖国参拝について、多くの人がブログで発言している。定点観測やら何やらで遅くなってしまったが、この機会にわたしもこの問題について思うところを少し述べておこうと思う。
 わたしは冠婚葬祭が嫌いで、特に葬式は嫌いだ。まあ、葬式が好きでたまらない人はそういないだろう。しかし、わたしの場合、結婚制度に反対なのだが、それでも葬式のほうが結婚式より嫌いだ。
 なぜなら葬式は主役が不在だからだ。主役の死人のためではなく、残った周りの者たちのために行われる。
 それだけならまだしも、葬式というものはしばしば、死のもつ重みを悪用した醜悪な政治集会になる。「故人は生前は善良な人柄で皆に愛されていた。残された家族は悲しみにうちひしがれながらも健気に生きていくだろう。お父さんも亡くなったし、兄弟のいさかいはもうやめにしよう」みたいな。
 人の死は重い。重いからこそ慎重に扱われなければならない。「英霊」とか持ち上げたふりをして軽々しく人の死を利用するような政治家の行う政治は、まさしく人の死を軽んじている。
 小泉の靖国参拝。これはまぎれもないひとつの政治的主張だが、そのために人の死を利用するのは卑怯だ。主張は言葉だけで語るべきだ。

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2005年10月18日

秘密協定:立命館定点観測

 きのうの記事の冒頭部分をもう一度読んでほしい。立命館守山高校の開設が一時金カットの要因になった、と書いた。なぜ、タダ同然で手に入れたはずの高校が立命館の財政に影響するのか?実は、いまだにマスコミでは報じられていない事実がある。
 7月15日に、立命館は平安女学院と5月に結んだ学術交流協定をマスコミに発表した。平安女学院高校から30人の生徒を立命館の2つの大学に受け入れる推薦枠を設ける、という内容だ。
 それから4日後の19日、10月12日の記事で触れたように、立命館当局と教職員組合との間で一時金をめぐる2回目の団交が行われた。このときに、教職員組合から、平安女学院との協定には公表されていない秘密条項があることが暴露された。それは、立命館から平安女学院への10億円の資金援助だ。
 その内訳を見てみよう。まず一つ目に、平安女学院の校舎改修名目で3億円を無利子有担保で10年間貸し付ける。二つ目に、平安女学院が所有するセミナーハウスを7億円で買い取る。このセミナーハウスは京丹後市の「スイス村」というレジャー施設の中に建つものだが、立命館の本部がある京都市から鉄道で3時間、そこからさらに車で40分以上かかるという恐るべき立地で、はたして7億円の利用価値があるかどうかはなはだ疑わしい。そもそも立命館大学はかって郊外型のセミナーハウスを所有していたが、利用者が少ないため相次いで全廃したばかりだ。
 平安女学院と守山市との間の問題がなぜか立命館と守山市との覚書で決着してしまった不自然さ。その背景にはこういうカネの流れがあったのだ。平安女学院は守山市などへの補助金返還は別にしても、大学の高槻への移転だけで相当な出費を強いられたはずで、これだけの資金援助は渡りに舟というものだろう。立命館は10億円(うち3億円は貸付)で平安女学院を動かして守山市に補助金返還を断念させた上で、まんまと30億円以上の税金がつぎ込まれた平安女学院のキャンパスをせしめてしまったわけだ。立命館大学当局は学生自治会との交渉で、7億円の安値で高校を買ったのと同じ、とあけすけに語っている。まさに、立命館という学校法人の所業は地上げ屋も真っ青というほかはない。巨額の補助金のツケをまわされた守山市民こそいい面の皮だ。
 それにしても、この秘密協定は5月に結ばれ、立命館大学の教授会などでも説明されたそうだから、教職員組合も以前から知っていたわけだ。にもかかわらず教職員組合は7月の団交まで労使交渉のカードとしてこの情報を温存していたことになる。もし団交が1回目で妥結していればこの話は永久に日の目を見なかったかもしれない。立命館大学教職員組合もまた、立命館の隠蔽体質に深くかかわっている。一時金問題がこじれたおかげで、「三位一体」の闇の一端がはしなくも露呈してしまったわけだ。
 また、平安女学院が守山からの撤退を決めたときには守山市議会で補助金問題を鋭く追及していた共産党市議団が、この秘密協定を問題にしているという話は聞かれない。共産党色濃厚な立命館大学教職員組合サイドからこの情報は入っていないのだろうか?それとも、知っていながら黙っているのだろうか?いずれにしろ腑に落ちない話だ。
 もうひとつ解せない点がある。7月19日の団交は大衆団交で、250人もの参加者が秘密協定の話を聞いている。さらに8月に入ると教職員組合の機関紙「ゆにおん」にもこの件は掲載された。にもかかわらず、わたしが調べたかぎり、このような重大な問題がマスコミで報道された様子はない。インターネットで検索してもこの件に言及したサイトは見当たらない。いったいどうしたことだろうか?守山市民でこの話を知っている人はどれくらいいるのだろうか?
 いま一度強調しておくが、立命館と平安女学院のこのようなやり口は守山市民をバカにしているとしか言いようがない。10億の金が出せるなら、平安女学院ではなく守山市に払うべきだ。立命館守山高校開設は白紙撤回せよ!。

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2005年10月17日

張子の虎:立命館定点観測

 前回、一時金カットの背景には「研究力強化」があると述べた。だが、学内ではもうひとつの要因がささやかれている。立命館守山高校の開設にかかわる問題だ。
 ことの発端は2000年にさかのぼる。この年、大阪府高槻市で短大を運営している平安女学院が、滋賀県守山市に新たに四年制の平安女学院大学を設置した。その際、「大学を核としたまちづくり」を掲げて平安女学院を誘致した守山市から25億円の補助金を受けた。ちなみに25億円は守山市の年間予算のなんと27%にあたる巨額のカネだ。また滋賀県も8億円を援助した。しかし、平安女学院大学は大幅な入学定員割れが続き、05年3月に守山から撤退、高槻のキャンパスに統合された。守山キャンパス開設からわずか5年のことであった。これに多額の補助金を支出した守山市が反発し、平安女学院に対して補助金の返還を要求、事態が紛糾するに至った。
 また、それとは別に、守山市立守山女子高校も定員割れが続き、平安女学院に散財した市当局に財政上の厄介者扱いされていた。
 ここに現れたのが立命館だ。守山市や平安女学院と水面下の交渉を重ねた末に、5月に守山市と「守山女子高等学校の移管にかかる覚書」を交わした。
 その大筋の内容はこうだ。まず平安女学院は守山市からの補助金返済を勘弁してもらう代わりに守山キャンパスを無償で守山市に譲渡する。滋賀県からの補助金は守山市が立て替える。立命館は守山女子高の運営を引き継ぎ、「立命館守山高校」を開設する。立命館守山高校のために守山市は平安女学院から譲渡されたキャンパスを提供する。立命館は現在の守山女子高の敷地を更地にして守山市に返還する。
 三者の利害が込み入った話だがご理解いただけただろうか?弱小私学の平安女学院は競争激化の中、新キャンパスで四年制大学を設置する勝負に出たがあえなく敗退。巨額の補助金の返還を迫られたが無い袖は振れず困っていたところに立命館の提案に飛びついて守山キャンパスを手放した。
 一方、守山市は平安女学院の撤退でメンツを潰された上に巨額の補助金が戻ってくる目途も立たず途方にくれていたところへ、平安女学院のキャンパスをくれるなら守山女子高の面倒を見てやろう、という立命館のセールストークに乗ってきた。
 さらに立命館はというと、総長自らが「『張子の虎』と評されつつある」と懸念するほどの性急な拡大路線をとっている。例えば、88年に国際関係学部、94年に草津市にびわこ・くさつキャンパス、同年に政策科学部、2000年に立命館アジア太平洋大学、04年に情報理工学部を新設している。そうした拡大路線の一環として、大学入学者を安定的に確保するために定員の2割を付属高校からの内部進学で固める目標を掲げている。そのためには付属高校を増やさなければならない。だから、もともと大学のキャンパスだった充実した真新しい校舎をタダ同然で入手できるならばこんなにオイシイ話はない。しかも守山は立命館大学の草津のキャンパスにほど近い好立地だ。立命館守山高校は理数系中心のカリキュラムを組むそうだが、これは草津の理工系学部への学生の流し込みを図ってのことだ。
 三者三様のぶざまな、あるいはしたたかな損得勘定があるわけだが、この一連の騒ぎで直接の影響を受ける守山女子高校や平安女学院大学の生徒・学生や教職員、さらに巨額の補助金を負担させられた守山市民に事前に相談があったわけではない。すべては秘密裏に決められたことだ。
 これに反発が起きないはずはない。平安女学院大学の「守山キャンパスの存続を守ろうの会」という学生団体は移転反対の裁判闘争をいまも続けている。守山女子高の生徒会・PTA・教職員組合でも反対運動が起きた。守山市議会でも問題になった。
 だが、これで話は終わらない。覚書でも明かされなかった重大な事実がこのあと露見することになる。

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2005年10月15日

ヒカゲシビレタケと共謀罪

 郵政民営化法案はすんなり成立してしまった。おもしろくない気分だが、もともと2か月前に成立していたはずのものが予想外に遅れただけだ。それに完全民営化までにはまだ12年ある。これですべてが終わったわけではない。
 資本家政府を一気に倒す策などない以上、自分にできることを怠けつつぼちぼちやるしかない。

首相公邸前庭に違法キノコ=麻薬原料含有、午後に除去(時事通信)

 いつの間にヒカゲシビレタケが麻薬取締法の対象になったんだ?ヒカゲシビレタケなんてそこらじゅうの山に普通に生えているわけだが、そういうものを所持することを禁止する法律ってのは無理がないかい?純ちゃんは官邸メルマガでもこのキノコのことを吹聴していたようだが、もし純ちゃんが好奇心にかられてヒカゲシビレタケをひっこ抜いて執務室に持ち帰ったりしてたら7年以下の懲役に処せられるところだったよ(この記述は誤りです。下のコメント欄を参照してください。)。飛ぶ鳥を落とす勢いの純ちゃんが思わぬところで足をすくわれるところだったね。あぶない、あぶない。
 そう考えると、麻薬取締法はある意味共謀罪なみに恐ろしい法律だな。最近純ちゃんは調子こいて挑発的な発言が増えているようだから、共謀罪が成立したら発言にも用心した方がいいよ。

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2005年10月13日

ハブ大学:立命館定点観測

 立命館大学当局は一時金カットの理由として「社会的水準論」と称するものを唱えている。名前は仰々しいが、要は他業種と比べて賃金が高すぎる、ということを言いたいらしい。一時金カットで得た財源は「研究力強化」に用いる、としている。こちらの方が一時金カットの本当の理由に近いようだ。
 立命館は07年度に3つのCOEを獲得することを目標にしている。そのためにCOEに対応できる研究者を高額の報酬で呼び寄せる計画だ。さらに、研究の高度化のためと称して、COEや科研費を獲得した研究者や博士号取得者に特別の手当を支給する。つまり、今はやりの能力主義的な賃金制度改悪の財源が一時金カットなわけである。しかも、手当を支給される可能性のある教員はまだしも、職員にとっては一方的な賃下げにしかならない。これが「民主的」な立命館で行われようとしていることだ。
 もちろん、立命館が獲得を目指している研究費はCOEや科研費といった国家予算だけではない。立命館大学のサイトのこのあたりを見てほしい。「インキュベーション」だの「アントレプレナーシップ」だの、かっての立命館の姿を想起するとめまいを覚えるような言葉の数々。「開かれたアカデミズム」が誰に対して開かれているのか、「社会との連携」が社会のどの部分との連携を目指しているのか、もはや贅言を要さないだろう。
 もっとも、立命館の変わり身の早さ、極端さが際立っているとはいうものの、全入時代を迎え生き残り競争が熾烈さを増す大学業界にあって、国家プロジェクトへの参入や産学協同は、多かれ少なかれどこの大学でも目標としていることだ。
 ただ、立命館の抱く野望ははるかに壮大だ。いささか誇大妄想気味だと言ってもいい。旧帝大や早稲田・慶応といった「先頭グループ」に追いつき、さらに「アジア太平洋のハブ大学」を目指すという。独占資本の手先としてアジア人民に蛇蝎のごとく嫌われる大学になりたいというのだろうか?

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2005年10月12日

三位一体:立命館定点観測

 立命館大学の関係者の口からは「三位一体」という言葉がときどき聞かれるが、別に立命館はキリスト教系ではない。三位一体なのは理事会・教職員組合・学友会(学生自治会)だそうだ。
 このかん立命館当局は人件費の削減に力を注いできた。教職員を非正規や派遣に置き換え、業務の外部委託を進めてきた。そのために大学直営の派遣会社まで作っている。今や立命館の教職員の半分が非正規で占められるまでになった。低賃金・不安定雇用で酷使される非正規教職員と、安定した待遇を約束された正規教職員の間で矛盾が渦巻いている。
 そこで当局は、正規の教職員のみを対象にした本工組合である立命館大学教職員組合を「第二人事部」として利用することで学内秩序を維持してきた。それだからこそ、非正規・派遣を酷使する一方で、正規の教職員の待遇にはこれまで手をつけてこなかった。
 ところが、今年の春闘で異変が起きた。理事会が正規の教職員の一時金の一カ月分削減を通告してきたのだ。これに教職員組合が反発し、非組合員の突き上げもあって、永らくおこなわれていなかった団交が開かれることになった。しかも労働組合が通常行う代表団交ではなく、学生運動で行われるような大衆団交だ。6月22日に行われた1回目の団交では正規教職員2000人のうち600人が参加し、激しいヤジが飛び交った。7月19日には250人の結集で第2回団交が開かれた。また、立命館大学の全10学部の教授会で削減撤回を求める教授団声明が可決された。さらに、学校法人立命館学園傘下の2大学3付属校の5組合で史上初の統一スト権を高い批准率で確立した。現在も闘争は継続中である。
 これだけの盛り上がりを見せているにもかかわらず、わたしは、どうせ当局との出来レースに違いない、と冷めた目で見ていた。あえて大衆団交を選んだのも、一般の教職員のガス抜きをはかるためのパフォーマンスに過ぎないと考えていた。
 しかし、ある情報を入手してわたしの考えは変わった。その情報によると、ワンマンで知られる理事長が9月に全職制会議を召集し、教職員組合を激しく批判したうえ、団交で当局批判をした職制たちに「文句があるならやめろ」と恫喝した、という。
 教職員組合が闘争の幕引きをはかりつつあり、スト権の行使にも及び腰であることは確かだ。だが、出来レースとは決して呼べないほどの溝が労使関係にあることは否定できないようだ。
 それにしても、なぜ当局は「三位一体」に溝を作る危険を冒してまで、今まで聖域だった正規教職員の待遇切り下げに踏み切らざるを得なくなったのか?続く!

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2005年10月09日

過半数代表:立命館定点観測

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 わだつみ像どころか、今や孟子像が立つ立命館大学。今日は彼らが誇る「民主主義」の一端をご覧にいれよう。ちょっと字が小さくて読みにくいが、上の文書を見てほしい(クリックすると大きくなる)。立命館大学労働者代表選出選挙管理委員会(実態は立命館大学教職員組合)が大学構内に貼り出した、いわゆる過半数代表の選出に関するものだ。
 過半数代表とは、過半数の労働者を組織する組合がない場合に、労働基準法にのっとって選出される労働者の代表だ。就業規則を制定・改定するときには過半数代表の意見を聴取しなければならないし、残業などに関する労使協定は過半数代表との間に締結しなければならない。過半数代表は非正規を含む全ての労働者によって民主的に選出されなければならない。
 上の文書が張り出されたのは9月20日。その2日後から候補の受付がわずか3日間だけ行われる。しかも9月の大学はまだ夏休みで、特に講義以外に仕事がない非常勤講師はまず大学に顔を出さない時期だ。人があまりいない閑散とした時期を狙ってコソコソとアリバイ的に掲示を出し、立命館大学教職員組合が立てた「候補」だけが立候補し、信任投票さえ行わずに選挙は終了。この後、過半数代表が決定された旨の掲示もなされた。これが「民主的」な大学の実態だ。
 だが、立命館大学の名誉のためにも付け加えておかなければならない。過半数代表の選出がいい加減に行われている職場は多い。経営者側が勝手に「代表」を決めてしまったり、そもそも就業規則じたいなかったりする職場は掃いて捨てるほどある。大学もその例外ではない。むしろ立命館は平均よりはややマシかもしれないくらいだ。
 つまり、これは特殊でも何でもない、ごくありふれた日本の労働現場の風景だ。組合の組織率が低くて過半数どころではなく、それに代わる過半数代表も儀式的に選ばれるだけ。そして労働者の意見はないがしろにされたまま、待遇は切り下げられていく。
 それで労働者はいつまでも黙っているのだろうか?次回の観測はそこに着目するつもりだ。

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2005年10月08日

鉄建公団訴訟と労働契約法制

 きのう、大阪で鉄建公団訴訟判決の報告集会があった。わたしは行かなかったが、知人から話を聞いた。その中で興味深かった点がひとつあった。慰謝料500万の判決は労働契約法制の先取りだという。
 労働契約法制では不当解雇を金銭補償で解決できる制度が盛り込まれている。カネさえ払えばどんな不当解雇もやり放題というわけだ。まさに、今回の鉄建公団訴訟判決そのものである。法律ができる前に、すでに裁判所では適用されている。裁判官は、けっこう世の潮目を読んでいるものだ。奇しくも、判決が出たのは、労働契約法制の研究会の最終報告が出たのと同じ日だという。
 ところで、いま話題の労働契約法制について、わたしも勉強しなければ、と思いつつ、無味乾燥な報告書に手が出ない。いろいろ問題点はあるようだが、要するに労使関係を労働者と使用者の対等な契約として扱おう、という趣旨のようだ。
 労働者と使用者が対等?そんなことありえない。対等でないからこそ、労働者は組合で団結して使用者と交渉する。賃労働を一度でもしたことがある人には分かりきったことだが、研究会のメンバーの学者の皆さんは御存知ないのだろうか?労働契約法制が労働者の団結を破壊し、バラバラにされた労働者に使用者がやり放題できる悪法になるなら反対だ。

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posted by 労働者L at 13:19| Comment(2) | TrackBack(2) | 労働

2005年10月07日

立命館定点観測

 京都に立命館大学という大学がある。立命館大学は共産党の影響力が強いことで知られている。60年代後半に民青が学生自治会の執行部をフロントなどの新左翼から奪取して以来、一貫して民青が執行部を握り続けてきた。60年代末に近所の京大・同志社大・府立医大で全共闘が席巻していた折でさえ、立命館では民青の優位は揺るがなかった。
 学生だけではない。立命館大学教職員組合は、大学が多い京都でも最も強力な共産党系の私大教職員組合であり、京滋地区私立大学教職員組合連合のヘゲモニーを握ってきた。それどころか、大学の最高意思決定機関たる理事会も少なからぬ数の共産党員によって占められてきたようだ。
 これら教職員組合や学生自治会をも構成員とする「全学協議会」が大学の運営に関与し、「平和と民主主義」を教学理念に掲げてきたのが立命館大学だ。
 もちろん、立命館の「民主主義」の影の面も指摘しないわけにはいかない。共産党系以外の学生がステ貼りしてもすぐに職員に剥がされる。ビラ撒きなどの情宣を始めようものなら職員が飛んできて妨害する。労働運動の面でも、立命館大学教職員組合以外の組合は著しく冷遇されている。
 だが、良くも悪くも続いてきた立命館大学の「平和と民主主義」は、80年代半ば頃から徐々に変質を始めた。「共産党大学」とまで呼ばれた立命館が産学協同に舵を切りはじめ、次々に財界受けのする新学部・学科を創設。94年には滋賀県草津市に新キャンパスを開設。2000年には大分県に立命館アジア太平洋大学を開学。今や経済誌で「改革のトップランナー」と持ち上げられるまでになった。
 このような華々しい拡大路線のコインの裏をめくってみよう。二部は96年に「夜間主」に衣替えしたものの、それも既に新入生の募集は停止しており、在学生が卒業すれば廃止される運命だ。職員の半数は有期雇用の非正規労働者に置き換えられた。当然ながら、こうした大変革は立命館に様々なきしみをもたらしている。
 これから折に触れてこの大学を定点観測しようと思う。それは、新自由主義に突き進む日本社会を考える上で立命館大学が貴重な材料を提供してくれていると考えるからだ。
 長くなってきたので今日は前置きだけにするが、観測結果をおいおい発表していくつもりだ。
 
 なお、メールアドレスを公開することにしました。roudoushalアットyahoo.co.jpです。立命館大学に関する情報も待っています。

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posted by 労働者L at 23:36| Comment(2) | TrackBack(2) | 立命館

2005年10月04日

国勢調査

 この前、国勢調査の調査員が調査票を配りにきた。わたしはこのような国家ぐるみの個人情報漏洩事業に協力する気はないが、調査票が見たかったので素直に受け取った。そして調査票の身柄を確保するやいなや、「出すかどうかは調査票を見てから決めます」と言ったら、調査員は怯えたような顔で「もちろんかまいません!」だって。こっちは別に調査員個人とケンカする気はないから、出来るだけ優しく言ったつもりなのに、あのビビりっぷりには驚いたよ。今回は調査を拒否する人が増えてるみたいだから、だいぶしんどい思いをしてるんだろうなあ、とちょっとかわいそうになり、「ご苦労さま」とねぎらいの言葉をかけて差し上げた。にしても、「かまいません!」って、調査への協力は義務じゃないのかよ!
 で、先刻くだんの調査員が調査票の回収にやってきた。「出さないことにしました」「分かりました」で3秒で終了。もう少し粘られるかと思ったが、もの分かり良すぎる。全国の調査員の皆さんもこんな感じでまったり働いてみてはどうでしょう?

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posted by 労働者L at 20:30| Comment(0) | TrackBack(2) | 日記

2005年10月01日

UIゼンセン同盟

 連合の次期会長がUIゼンセン同盟の高木剛氏に事実上決まった。UIゼンセン同盟は旧同盟系で労使協調路線だが、中小企業労働者・非正規労働者の組織化に以前から精力的に取り組んでいる、と聞いている。
 フリーター・パートなどと呼ばれる非正規労働者が団結し、旧来の本工主義の労働運動を乗り越えていかなければ労働者階級の未来はない、とわたしは考えているので、高木会長の誕生で連合も少しはよくなるかもしれない、と淡い期待をもっていた。少なくとも、電力総連やら自動車総連やらの擁立する会長よりはマシだろう、と考えていた。
 ところが、どうもそうも言えないようだ。この前、連合傘下・旧総評系のある有力単産の専従の人とこの件について話をしたが、高木会長にたいそう否定的だった。
 この人の話によるとこうだ。ゼンセン同盟はオルグを労働者ではなく経営者のところに派遣する。経営者に「共産党が手を伸ばさないうちに労使協調の組合を作っておいた方がいいですよ」などと巧みに勧誘し、御用組合を作らせる。もちろん事実上のユニオン・ショップで、従業員は有無を言わさず加入させられる。
 こうして作られた組合は、当然ながら組合員の待遇改善などいっさい要求しない。それどころか、UIゼンセン同盟は組織拡大だけを自己目的化しており、一度立ち上げられた組合の面倒を熱心に見ようともしない、という。
 かくして、誰も組合運営のノウハウも熱意も持ちあわせていない中小組合は、作られたさきから次々と休眠あるいは解散に追い込まれる。ゼンセン同盟は毎年3万人の組織拡大を誇っているが、くだんの専従氏によるとほぼ同数の脱退者がいるという。
 結局、この脱退者たちは、労働組合というものは何ら労働者のためにはならないものだ、ということを学習し、以後二度と組合に入ろうとはしなくなる、という。つまり、ゼンセン同盟のオルグ活動は、労働運動全体にマイナスの効果しか及ぼしていない、という話だった。
 まあ、酒の席で聞きかじっただけの話だ。この専従氏の単産とゼンセン同盟が未組織労働者の組織化を巡って競合関係にある、ということもある。よって、この件について更なる情報を求む!

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posted by 労働者L at 20:50| Comment(3) | TrackBack(1) | 労働