三種の神器といっても鏡・剣・玉のことではない。テレビ・洗濯機・冷蔵庫でもない。ここで話題にしたいのは、(初代)新三種の神器、つまりカー・クーラー・カラーテレビのことだ。そんな昔の話がどうしたのかというと、この3Cこそが、日本社会を悪くしている元凶だ、とわたしは常々考えてきた。この3つを抑制すれば、それだけで日本はだいぶマシになる。今回はまずカー=自動車からみていこう。
車というものは、危険きわまりない。人間が生活しているのと同じ空間にあんな巨大な鉄のかたまりが時速50キロで行きかっているとは尋常ではない。滅多に脱線することはない鉄道の線路さえ大抵フェンスに囲われているのに、ちょっとハンドル操作を誤ればたちまち衝突する車が人のすぐ横を通り抜ける。電車の運転士が運転中に携帯で話をしていたとか、缶ジュースを飲んでいたとかいったことが時たまニュースになるが、車の運転手についても同様に報道していたら新聞の紙面は全ページそれだけで埋まるだろう。2004年の交通事故での死者は7398人、負傷者は約119万人だ。ちなみにこの年の鉄道事故での死者は299人、航空機では14人だ。しかも鉄道事故の半数は踏切事故だ。
車は環境破壊の元凶だ。日本が年間に排出する二酸化炭素は13億トンだが、そのうち自動車が排出しているのが2.6億トン、自家用車だけでも1.5億トンだ。京都議定書に定められた6%削減は、マイカーの使用を半減させるだけで達成できる。さらに窒素酸化物・騒音・振動の発生源になる。道路の建設も自然を破壊する。
車は邪魔だ。駐車場に収まりきらない車が、繁華街でも住宅街でも、我が物顔に道路を占拠している。デモは交通の邪魔者扱いされるが、駐車車両の方がよっぽど邪魔だ。警察はデモにいらん警備をつける人手があったら駐車違反をもっと取り締まるべきだ。
車は貧富の格差を拡大する。マイカーで道路が埋まると、バスは定時運行できなくなり、ますます多くの人がマイカーに乗り換えるという悪循環が生じる。その結果、バスの本数は減り運賃は上がり、バスを利用せざるを得ない人たちにしわ寄せがいくことになる。もちろん、環境の面からもこれは由々しき問題だ。
自動車産業は労働者を酷使している。わたしの隣町に日産の工場があった。そこで期間工をしていた人と話をしたことがあるが、あまりの待遇の悪さにびっくりした。自動車メーカーが空前の好況を謳歌し、正社員の給料やボーナスをアップさせている一方、大量の期間工を低賃金で酷使しているのが現実だ。ちなみに、隣町の日産の工場は「ゴーン革命」とやらで閉鎖され、従業員は何百キロも離れた工場に異動するか、退職するかの選択を迫られた。さらに、周囲の零細下請け部品会社の労働者の多くは、選択の余地なくクビになった。
グローバルに展開する日本の自動車資本は、外国でも労働問題を惹き起こす。フィリピンのトヨタ工場の労働者たちは、日本の労働組合の支援も受けつつ、不当解雇攻撃と闘っている。さいきんホンダのインドの工場での激しい労働争議も報じられた。
わたしは運転免許はもっているが、車をもったことはない。上記のような問題意識を抱いていることもその理由にはちがいないが、そもそも車を所有するメリットがない。わたしの住むような地方都市では、移動は自転車や公共交通でじゅうぶんである。必要なときだけタクシーやレンタカーを使った方がよっぽど安上がりだ。仮にタダで車をもらえるとしても断るだろう。
車をもっている皆さん、自らのカーライフを見直してみてはどうだろうか?車をもたないのがベストだが、そうはいかない場合でも、できるだけ使用を控えるとか、大きいワゴン車を軽自動車に代えるとか、色々工夫の余地はあると思う。
次回はクーラーを熱く語る。
革命的労働者に清き一票を!ここをクリック!人気blogランキングへ